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国際歯科保健学分野


分野の紹介

国際歯科保健学分野は、口腔を含めた個人健康が、我々が住むコミュニティや社会経済状況などと大きく関わっていることを明らかにし、行政等と協力しながら、よりよい社会を目指していこうとしています。

人々や社会への信頼や絆といったソーシャルキャピタルが口腔健康に与える影響について研究を実施し、日本の大規模コホートにおいても、社会経済状況Socio-Economic Status (SES)が、残存歯数に影響のあることを解明してきました。また、残存歯数により、要介護状態へのなりやすさや、肺炎での死亡に大きく関わっていることも証明してきました。

先進国のみならず開発途上国においても課題となりつつある高齢化の進展に対応するため、介護予防での栄養改善、運動機能の向上、口腔機能の向上の3つを組み合わせた介護予防プログラムの構築を行い、全国的に導入されつつあります。

口腔ケアの介護現場への普及を通じて、医療から介護・福祉などを総合的に供給できる地域包括ケア体制の構築のために必要な提案も行っています。また、対策が遅れている子ども達のう蝕予防といった歯科保健問題などにも大きく関わっています。

開発途上国等への国際協力に関わる人材についての育成を行うとともに、諸外との比較により、日本国内の歯科保健 状態や健康格差の分析、歯科医療制度、介護保険制度および歯科公衆衛生についての理解を深めます。

教員構成

主な研究テーマ

  • 社会と口腔の健康に対する関連について
  • 医療や介護の連携を通じた地域包括ケアの構築
  • 歯科医療システムと健康格差
  • 有効な介護予防事業の構築
  • 高齢者介護施設等での感染症対策・リスクマネジメント
  • 食品のリスクアセスメント

口腔機能向上加算推進ビデオプログラム(ストリーミング配信)

最近の業績

  1. Aida J, Kondo K, Hirai H, Nakade M, Yamamoto T, Hanibuchi T, Osaka K, Sheiham A, Tsakos G, Watt RG: Association of Dental Status and Incident Disability Among an Older Japanese Population. Journal of the American Geriatrics Society, (in press).
    歯の残存数が多いほど要介護状態のなりやすいことについて証明した。
  2. Aida J, Kondo K, Kondo K, Watt R, Sheiham A, Tsakos G: Income inequality, social capital and self-rated health and dental status in older Japanese. Social science & medicine, 2011; 73: 1561-1568.
    高齢者における口腔の健康状態が、経済的な格差やソーシャルキャピタルと関係していることを明らかにした。
  3. Aida J, Kondo K, Yamamoto T, Hirai H, Nakade M, Osaka K, Sheiham A, Tsakos G, Watt R. Oral health and cancer, cardiovascular and respiratory mortality of Japanese. Journal of Dental Research 2011; 90: 1129-1135.
    歯の残存数が多いほど、肺炎などのでの死亡が少ないことを明らかにした。
  4. Aida J, Kondo K, Hirai H, Subramanian SV, Murata C, Kondo N, Ichida Y, Shirai K, Osaka K. Assessing the association between all-cause mortality and multiple aspects of individual social capital among the older Japanese. BMC Public Health 2011;11(1):499.
    日本の高齢者において、総死亡がソーシャルキャピタルと関連していることを明らかにした。
  5. Wakaguri S, Aida J, Osaka K, Morita M, Ando Y. Association between Caregiver Behaviours to Prevent Vertical Transmission and Dental Caries in Their 3-Year-Old Children. Caries Res 2011;45(3):281-286.
    子どもへの親からの垂直感染について、口移しは関係ないことを明らかにした。
  6. Aida J, Kuriyama S, Ohmori-Matsuda K, Hozawa A, Osaka K, Tsuji I. The association between neighborhood social capital and self-reported dentate status in elderly Japanese - The Ohsaki Cohort 2006 Study. Community Dent Oral Epidemiol 2011;39(3):239-249.
    ソーシャルキャピタルと歯の健康についての関係について明らかにした。
  7. Aida J, Morita M, Akhter R, Aoyama H, Masui M, Ando Y. Relationships between patient characteristics and reasons for tooth extraction in Japan. Community Dent Health 26(2):104-109.2009
    抜歯の原因と保護者の特徴についての関係を調査した。
  8. Aida J, Hanibuchi T, Nakade M, Hirai H, Osaka K, Kondo K. The different effects of vertical social capital and horizontal social capital on dental status: a multilevel analysis. Soc Sci Med 69(4):512-518.2009
    水平方向と垂直方向のソーシャルキャピタルと口腔の状況をマルチレベル分析を用いて解析した。

分野問い合わせ

E-mail:osaka*m.tohoku.ac.jp(*を@に変えてください。)
TEL:022-717-7639

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