腫瘍医工学分野
分野の紹介
がん患者の死亡原因の約90%は転移に起因するとされており、転移をいかに早期に捉え、制御するかは、がん治療における喫緊の課題です。とりわけ、多くのがんで最初に認められるリンパ節転移は、その後の遠隔転移や予後を大きく左右する重要な段階と位置づけられます。
本分野では、リンパ節転移の超早期診断および治療を実現することを目的として、「リンパ行性薬物送達法(Lymphatic Drug Delivery System:LDDS)」の研究開発に取り組んでいます。LDDSは、薬剤をリンパ節内へ選択的かつ効率的に送達する独自の治療概念であり、従来の全身投与では達成が困難であった高い治療効果と安全性の両立を目指すものです。
本分野では、生体発光イメージング、造影超音波イメージング、マイクロCTなどの高感度・高精度イメージング技術に加え、シングルセルRNA-seq解析やエクソーム解析などの先端的ゲノム解析手法を駆使し、リンパ節転移の成立機構および治療応答を前臨床レベルで詳細に解析してきました。
これらの研究成果を基盤として、リンパ行性薬物送達法(LDDS)を用いた「頭頸部がんにおける転移リンパ節に対する特定臨床研究」が現在、岩手医科大学および東北大学病院において開始されており、基礎研究から臨床応用へとつながるトランスレーショナルリサーチを実践的に推進しています。本分野は、革新的ながん転移治療の社会実装を見据えた研究開発拠点としての役割を担っています。
教員構成
教授:小玉 哲也
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主な研究テーマ
- リンパ行性薬物送達法を用いた転移リンパ節の治療(国際ネットワークに基づく臨床試験の展開)
- 転移リンパ節に対する免疫放射線療法の開発
- ナノ粒子を用いた第二世代リンパ行性薬物送達法の開発
- LDDSにより誘導される免疫関連有害事象(irAE)の分子機構解明
最近の業績
分野問い合わせ
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