研究会発足の趣旨

  内毒素・LPSに関する研究は幅広く、生物学的、化学的、物理学的側面その他から、日本国内でも数多くの研究者によって研究が展開されております。私たち、この研究会の発起人は、日本細菌学会を中心に、内毒素・LPSの研究者が比較的多く集まる学会で、よく顔を合わせるメンバーで構成されております。

  数年前から、私たちが集まると、内毒素・LPSにテーマを絞った研究会を開けないかという話がよく出るようになりました。話を煮詰めて行く内に、限られた学会の中の内毒素・LPS研究者が小さくまとまって会を開くというのではなく、「内毒素・LPS」という共通項では結びつくが、個々の学会の範囲は超えて、幅広い分野の研究者が集まる会で、専門の異なった研究者からの刺激も得られるような会にしたいという事が明らかになってきました。更には、真の情報交換の場としてお互いの研究の発展に結びつき、日本の「内毒素・LPS研究会」分野の研究の益々のレベルアップに役立つような会にしたいという期待もあります。

  意向ははっきりしてきたのですが、さて実際に研究会を開こうとすると様々な問題にぶつかります。発起人のメンバーは比較的若手で、立派に形の整った会を開くための人手や資金を調達することは大変なことですし、確固とした運営組織を作り上げてから会を開くとなると、どんどん時が過ぎて行く可能性があります。そこで、なるべくお金も人手もかからない様な形で、失敗を恐れず、とにかく会を開いてみることが大切ではないかということになり、今回の第1回目の研究会を開くことにしました。会を重ねて行く内に形も整ってくるだろうという考えですから、不備な点も多々あると思いますが、趣旨をご理解の上「簡単な準備でも内容は濃い会」になりますよう、多数の方々のご参加とご協力をお願い致します。


1992年6月 発起人一同