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2020年1月24日掲載
副研究科長・副学部長
髙橋 信博 教授

東北大学未来型医療創造
卓越大学院プログラムが始まりました

副研究科長・副学部長 髙橋 信博 教授

卓越大学院とは

皆様こんにちは。令和を迎えた2019年、新しい大学院プログラム「卓越大学院」が始まりました。 卓越大学院は、文部科学省が大学院教育の「最後の切り札」として、日本の未来社会で直面するであろう様々な課題を先取りし、それを先導し解決する人材の育成を目的とした大学院プログラムです。「博士取得者の社会実装」とも言えるでしょう。2017年、全国の大学を対象に公募を開始し、2018年秋、厳しい競争を経て15のプログラムが採択されました。その1つが「東北大学未来型医療創造卓越大学院プログラム」です。私は、本プログラムの運営母体である「未来型医療創造教育研究センター」の副センター長を拝命しています。

本プログラムの特徴
-DTSを通し、チャレンジしたい、創造したいという情熱を形に-

プログラムには、Data science、Technology、Societyの3つのコース(図1)があり、文理共学、産官学連携、国際連携を通じて、世界に先んじて超高齢社会となりつつある東北地方から未来の技術や医療を開発し、世界へ展開することを目指します。本プログラムを希望する学生は、各研究科の大学院生となった上で、本プログラムに応募し、選抜試験を受けることになります。

図1 未来型医療を目指す3コース
図1 未来型医療を目指す3コース(未来型医療創造卓越大学院プログラム Webサイトより転載)

カリキュラムで特徴的なのは「バックキャスト研修」です(図2)。これは、学生とファシリテーター教員がグループを構成し、未来の課題を先取りし解決策を探索するというチャレンジングな研修です。このためには優れたファシリテーター教員が不可欠であり、歯学研究科からも金高弘恭准教授、真柳弦助教がその任を果たすべく、特別な養成コースを受講しています。 通常の大学院に比べ、必要単位数が多く、求められるレベルも高くなりますが、それに見合う、より高度な大学院教育を受けることが可能です。さらに、本プログラム生に対しては手厚い経済的サポートがあり、経済的な心配をすることなく、大学院研究に励むことができます。(詳細は未来型医療創造卓越大学院プログラム Webサイトをご覧下さい)

図2 カリキュラムマップ
図2 カリキュラムマップ(歯学履修課程〈歯学研究科博士課程〉は学年R)

本プログラムにおける歯学研究科の役割

これまで、各研究科は独立して大学院教育を行ってきました。しかし、本プログラムでは、医学、歯学、薬学、生命科学、医工学、情報科学、経済学、文学、教育学の各研究科の連携による文理共学な学際教育、すなわち東北大学の総合力で大学院教育を行うことになります。さらに、自治体、医療機関、企業、国際教育研究機関も参加します。

これは、2002年に「インターフェイス口腔健康科学」を提唱して以来、歯学研究科が行ってきた異分野融合や他領域連携による教育研究と似ていると、お気づきの方も多いのではないでしょうか。お察しの通り、私たち歯学研究科は、本プログラムのグランドデザインから実施まで、先導者の一人として中心的かつ主体的な役割を果たしています。

今年4月、第1期生として18名が合格しました。理系、文系、留学生、社会人からなる多様な学生であり、うち2名は歯学研究科の学生です。彼らの活躍に大いに期待するとともに、新しい大学院の構築に邁進したいと思います。皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。

(本記事は2019年6月発行のNewsletter19号に掲載されています。)

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