社会との共創

『革新的食学拠点』では、「食学」に関する各大学の強みを活かして、先端的研究成果を地域社会の課題解決につなげることによる社会との共創を強く目指しております。

東北大学歯学研究科では、本拠点事業の一つとして「新機能食品」を用いた「食のプログラム」による健康の維持・増進を目指しており、歯科医師会、医師会等の職能団体や各自治体との豊富な連携実績に基づき、先端技術を地域社会へ還元する共創体制が整備されています。特に食品産業界では高齢化対応で嚥下に関係する食品開発の需要が高まっていることや、口腔マイクロバイオームの影響が、齲蝕にとどまらずヒトの健康機能にまで影響することが最近の研究成果から示されており、歯学研究科が有する嚥下やマイクロバイオーム評価系と農学研究科、宮城大学の食品開発プラットフォームの連携により、産業界への新たな貢献が期待されています。

一方、東北大学農学研究科では、宮城・山形・福島県食品産業協議会、宮城県農業法人協会、県内各自治体との連携協定を締結しており、地域との連携実績が豊富です。特に宮城・山形・福島県食品産業協議会とは、各県事務局や東北大学未来科学技術共同研究センター、技術移転機関である(株)東北テクノアーチとの密接な連携のもと(図1参照)、会員企業の技術的課題の解決等を推進しており、農学研究科として最先端技術を地域の課題解決に活かす共創体制が既に整っています。また、世界23の研究機関と国際交流協定を結んでおり、グローバルな研究開発を社会に活かすことが可能です。

図1:東北大農学研究科と地域食品産業界の連携体制図
図1:東北大農学研究科と地域食品産業界の連携体制図

宮城大学は大学の理念に『グローバルな視点で地域社会の発展に貢献できる人材を育成する』と明記されており、地域における産学官連携に実績があります。例えば、宮城県食品産業協議会とは連携協定を締結して、会員企業からの技術的課題への相談の対応や毎年のシンポジウムの共同開催等、多くの具体的な取組を進めていて、県内食品企業の課題解決体制(共創体制)が既に整っております。